前回の続き。フェリーでは4時に起きた。目覚ましをかけていたわけではなく、自然と目が覚めてしまった。
暗闇から日が昇り、海から見える島々が青白く浮き立って幻想的に見える光景をひたすら眺めていた。四国の神々しい島々を見て心が洗われるようだった。がしかし、この矢先
洗われたはずの心に、怒りが込み上げることになるとは・・
以下、阪急フェリーのオペレーションについて、全体的には値段相応でしかたないのですが、体験した者としてだらだらと述べております。
あんまり役に立たないと思いますが、体験談として一応ご参考まで。
問題の下船について。
比較的スムーズではあったが、下船の際のアナウンスが問題だった。
「出口前のバスにお乗りください。バスに乗り遅れますと、タクシーしかありませんのでご注意ください」
煽るというか、人を焦らせる内容だった。
そこから私は正直、うっすらイラついていた。
調べてみると、バスは30分に1本は通っていたので
無理に乗り込む必要はなかったし、公共交通機関の駅までタクシー1m程で、捕まえられればタクシーでもよかった。
そもそも乗客の人数は把握できるわけだから、その人数をさばける交通手段は当然あるはずだと踏んでいて
よく調べていなかったので、今回はアナウンスに従い
しぶしぶ混雑したバスに乗り込むことにした。
バスは人を限界まで詰め込んで出発した。徐々に不快感が増してきた。
そして、バス内では次のようなアナウンスが流れた。
「当バスは現金のみご利用いただけます。あらかじめ両替をお済ませいただきますようお願いいたします」
今どき現金のみってないだろう。というかなるべく小銭は持たないようにしていて、それでも昨日崩したもので十円足りない状況だったのも悔しさが増す。
両替機は運転手の隣にある。この混雑の中、そこまで辿り着けない。でも何とか「すみません」と言いながら前に進んで両替を済ませた。
すると運転手がマイク越しに「走行中の移動はおやめください」と注意した。
事前に済ませておいてくださいと混雑したバスの中で言われても、前方に行くまですごく時間がかかる。停止している間に動き出しても、バスが動いてしまう。まあ規則なんだろうけれど、今回の状況はいろいろと現実的でなく。
注意はされたが、済んだことだし
とっとと帰って家で一休みしたいわと思っていた。
すると後から来た人が「1万円札しかないんですけれど」と運転手に聞き、「1万円札は両替できません」と苛立った感じで答えられた。
「じゃあどうしたらいいんですか」ということになって、一悶着起きそうに。
私もこの状況にブチ切れ気味だったので、もし小銭がない人がいたら、その全員分わし払ったると思っていた。ニートの身分で何なんだけれど。
「これ使ってください」と言って小銭を渡したが、「実はツレがいるので私1人じゃなくて、その連れも一万円札しか持ってないんです」と言われて一瞬驚いた。でももう全員分払うって腹をくくっていたので「大丈夫です。小銭まだありますから」と答えた。
「どうぞ」「いえいえ悪いので」というちょっとした押し問答になったが、その末に相手の方から「そしたら返しやすいように500円か1000円貸してください」と逆にお願いされた。それはそれで断れなくなってしまい、結局それでおさめることに。
一件落着したので、運転手さんは急に上機嫌になり、世間話などを始めた。「実際、今時現金払いだけなんてないですよね〜」なんて言い出して、「まあ確かに」と答えたり。
でも6月からはやっと現金以外の支払いも始まるそうだと教えてくれた。
なのでこのような苦労はもう終わるようだ。よかった。
バスを降りた後に降りたところのコンビニでお金を崩して結局お金を返してもらい、さらにはお菓子をいっぱいいただいてしまって返って申し訳ないですという事に。
「あの運転手さん、言い方ひどかったですよね・・後半は急に優しくなりましたけどね」と話すと、私よりもむしろその人たちの方が怒りがおさまらない様子で、「あの人、人間としてダメ!」と一蹴していた。
聞けば今から高野山に行き、宿坊に泊まるそうで。
「今から修行が始まっているような気がするし、こうして助けてもらえて徳の積んだ方に会えて・・」みたいなことを言われた。
その言葉に私は心底驚いて
「いえいえ、私なんて普段から煩悩にまみれまくった人間です。
煩悩にまみれて、さっきなんてブチ切れてたんですよ!」と言ったが、
「記念に一緒に写真撮影してください」と言われた。
私は、船の洗面台でさささと顔を拭った程度で、寝癖のままのドすっぴんだった。皆さんはきちんと化粧していた中で撮影された写真が、旅の思い出として残ると思うと恥ずい。
逆に日頃の自分の姿を反省しちゃった。
という訳で?私も誘われているような気がして?
来週、高野山へ行きます。
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