旅人というのは
荷物を削ぎ落としていく代わりに
知恵を身に纏ってゆくように見える。

チャンスがあれば
そんな旅人たちの知恵に触れてみたいものだ。

とにかく今まで何とも思わなかった
日常に改めて目を向ける契機となる、長期旅行。

数泊を超えると『洗濯』が必要になる。
今まで、何とも思わなかった「洗剤」を
持ち歩くのが面倒だし
そもそもそんなに必要なのかと
疑問を持ち始めた。

最近の洗濯機は優秀だし
毎日油にまみれている訳でもないし
基本的に水で十分なのでは?
昔は川へ洗濯に、だった訳だし。

とりあえず、この暑い夏の時期は
汗もかくので、汚れを落とすものとして
重曹を少量入れてみた。

そんな話をラウンジで出会った
旅人男性と世間話をしていたら
「僕、マグちゃん使ってますよ」との事。

マグネシウムが洗濯水を弱アルカリ性にして
汚れを落ちやすくして、一般的な界面活性剤より
効果があるとマグちゃんHPでは謳っている。

しかも、その旅人は
「実はマグちゃんは持ち歩きには少し重いので
自分でギリギリまで中身のマグネシウムを少なくしてみて
入れ物も自分で作りました」との事。

今までは、まるで儀式の様に
洗剤を洗濯機に流し込み
環境汚染への薄ら罪悪感を感じつつ

濃縮タイプであっても、多めに入れた方が綺麗になるんじゃないかとか
暑いから、ちょっと多めに入れてスッキリしたいとか
毎度多目に入れていたことに、ハッと気づいた。

それらは多分わたくしの迷信。
私も極力少なくしてみようと思った。