松江の小泉八雲記念館にて
怪談を朗読したものなどを全部聞いた。
子供の頃聞いた『耳なし芳一』の話は怖かったし、
夢も希望も持てない怪談は絶望的な気持ちになるので
極力読まないようにしていた。
日本昔ばなしも、市原悦子ナレーションは聞いていたが
岸田今日子の語り口は怖かったので避けた。
お陰様でムーミンも苦手だった。
大人になってからもドキュメンタリー派で
ホラーや暗い話は、気分が沈むので
ほとんど見なかった。
折角なので、今回を機に小泉八雲作品に触れてみた。
松江大橋は源助柱という人柱にした伝説があり
その話は「耳なし芳一」どころでなく怖かった。
実際にに橋の元に石碑があって(怖くて写真を撮れなかった)
また、観光バスに乗り橋を渡ると
「源助に感謝し、石碑を建てました」という紹介があった。
感謝という前向きな言葉に変換されてた。
しかも、源助柱を意識していない時に
急な夕立で土砂降りの中、橋を渡っていたら
ちょうど橋の頂点の所で「グエっ!」と音がして
海鳥がどうかしたのかな?と思って
橋の下を覗いたんだよね。
でも雨だし鳥なんかいなくて。
で、石碑の所でその話を思い出し。
たぶんというかほぼ100%私のサンダルが雨で濡れて
ギュギュッと鳴ったようなんだけど
滅多になかったし
何よりドンピシャで源助柱の位置だったので
半べそになったアラフィフです。
そして怪談を読み過ぎて後悔したアラフィフです。
というか、話を知らなかったらこんな気持ちにならずに
一生過ごせたのに
知ってしまったら、心の中に記憶が存在してしまって
無から有ができてしまって、
有ると思ったら確かに存在してしまうんですね。
この、小泉八雲の曾孫の小泉凡氏による
ゴーストツアー(夜スタート)というのがあって
ひ孫の方直々に怪談を聞けるなんて貴重すぎるので
ぜひとも参加しようと思っていたが
本気で怖くなり、後ろ髪をひかれつつ
諦めました。
しかしながら「神々の国の首都」と松江を称するセンスなど素敵で
怪談以外の文学作品をちゃんと読んでみたいなと思った。
そして、それ以外は楽しかったなと思いながら
眠りについたのだけど
色々な刺激を受けたためか
感情がすごく揺さぶられたようで
悲しい夢もたくさん見てしまい、
忘れていた、今までで一番悲しかった
死に関する事を思い出した。
年月が経つと気持ちは薄れていくものなのに
起きた瞬間だけその時のことを鮮明に思い出して
自分でもびっくりした。
しばらくしたらまた忘れちゃうんだけど。
ここはやっぱり小泉八雲の言うところの「神々の国」であり
不思議な土地なのかもしれないと
信仰心や霊感のない私でも思わずにいられなかった。
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