7月末に親が倒れ。心臓と肺に持病があり「いつ何があってもおかしくない」と言われていたのに、いざその時が来ると、心が追いつかなかった。

自分自身が既にシニア世代。訃報や介護の話を耳にする機会が増え、
覚悟は少しずつできているつもりだったが、目の当たりにすると愕然とし、準備不足を痛感した。

地元の病院では対応できず、大学病院へ即入院。
医療面は病院に全てを委ね、私は医師や看護師に話を伺ったり、
都度必要な物を揃え、面会時に様子を見守る日々。

幸い病気そのものは数ヶ月で治療できる見通しだが、
リハビリを含めると長い時間がかかり、高齢で日常生活に戻れない可能性も。親自身も自分の亡き後のことを考え始めた様子。

思思考停止の私を救ったのは相談相手の存在

介護、施設、相続・・・
考えるべきことは山ほどあるのに、何から手をつければいいのかわからない。焦る中、何から手をつければいいのか・・思考が止まってしまった。
一番時間がかかりそうなのは施設探し?!と思って
介護施設やバリアフリー住宅などを問合せ見たりしてみていたが・・

そんなとき、以前参加した講習会で出会った相続コンサルタントの方を思い出したご自分も相続で苦労した経験から今の仕事をされているそうで、柔らかい雰囲気が印象的で「何かあったらこの方に相談してみよう」と思っていたのを思い出し、連絡をとった。

状況を丁寧に聞き取った上で、

  • 今やるべきこと
  • その優先順位
  • 具体的な相談窓口

を整理し、行動のロードマップを示してくださって安堵。これでやるべきことが判り、安心して動き出せた。

介護保険の申請は「今すぐ」

アドバイスを受け、まず取り組んだのが介護保険の申請だった。
正直なところ、介護保険については「昔、母が骨折したときにベッドを借りたことがある」程度の知識しかなかった。
病気で入院している間は全て病院が24時間体制で対応してもらえるから、
退院して自宅療養になるタイミングで申請するものと思っていた。
しかし、それは大きな間違いだった。

介護保険は「とにかく早めの申請」が大原則

  • 申請から調査員の訪問調査までに約2週間
  • その後、要介護認定の結果が出るまでさらに1ヶ月以上(混雑状況で変動)
  • そのため申請しておかないと、退院後すぐに必要な支援が受けられない可能性あり
  • 要介護認定が出て初めて地域のケアマネジャーがつき、支援体制の相談・調整ができる

つまり、退院することに申請では間に合わなかった。
入院中でも申請でき、病院とコンタクトを取り、審査員が病院まで来て、
本人の様子だけでなく医師や看護師の意見も反映してくれるとのこと。

役所の印象が変わった瞬間

正直これまで、役所の手続きといえば非効率で事務的という印象を持っていた。しかし今回は全く違った。
実際に介護保険の申請に行ってみると、窓口の方々が驚くほど親身。ふだん高齢者の対応に慣れているためか(?)わかりやすく丁寧で、なにより温かみのある対応に感謝しかなく。

ただし、行政はあくまでも自己申告・申請が必要で「待っているだけでは助けてくれない」し、他の年金機構や健康保険などなどの問合せが続く中で、
管轄外のことはよく知らない縦割り構造を改めて実感。必要な情報は自分で出向く、質問することが大切。必要なことは自分から申請し、動き出して初めてサポートが受けられる。

だからやはり、必要なものを求めてどんどん動く必要があるし
今回、あらかじめ相談先を見つけておいたことは自分にとって救いだった。