先ずは入り口にどどーんと構えた
唐破風屋根に目を奪われる。


京都の銭湯、行ってみたいと思いつつ
一見さんお断り的な雰囲気が最も強い場所なんじゃないかと
勝手に思い込んで足を踏み入れられずにいたが

銭湯カフェ(九条と西陣)に足しげく通い
あ〜やっぱり銭湯へも行ってみたいなあと
思いが強くなっていった。

そして、ちょっと予習をし
雨が降り止んだタイミングで行ってみることに。


有形文化財にもなった船岡温泉。
近所の人たちががっつり日常使いされていて
びっくりした。

私の住んでいたエリアとはやはりマナーが異なり、
ロッカーには直接荷物を入れずに
カゴに入れてカゴごとロッカーにしまう
というのは予習をした通りだった(よかった、読んでおいて)。

ちなみに、昔ながらのカゴは柳行李(やなぎごうり)で
今はプラスチックの四角いカゴになっていて
船岡温泉では、スーパーの買い物カゴより一回り大きめの黄色いプラスチックのカゴだった。割と大きくて、これがロッカーに入るって凄いなと思った。

床は籐筵(とむしろ)だった。

脱衣所と湯船のエリアの間の廊下が割と長くとってあり
洗面所になっている。
様子を観察していたら
お風呂から出たら、そこでタオルを何度も水で濡らし
体を拭いているようだった。
この時期は体を冷ます効果がある。冬の時期はささっと体を拭くだけなのかしら?

また、銭湯と言えば「ケロリン」の風呂桶があるものと思い込んでいたが
ここにはなかった。というか風呂場にいっさい置いてなくて
「まさかの洗面器持参ルール?!」と勝手が分からず
キョロキョロと挙動不審者に。

洗面台のところに家庭用の使い込まれて色褪せた洗面器が
何個か重ねられてケロリン1個分くらいに収まって
隅に置いてあったのを発見した。

そんなに敷地が広いわけではないので
省スペース化しているのだろうか?

ルールに戸惑いつつも
マジョリカタイルと
露天風呂を満喫できた。

露天風呂から更衣室が少し見える構造になっていて
私が入れたロッカーのすぐ下をお年寄りが使っているのが見えた。
あの方が使い終わったら
風呂から出よう、そう思って待っていたのだが
持ち物を畳んでは出し、出しては畳むというのを繰り返し続け
30分くらいが経過。
あの人を待っていたらもう出られないかもしれない・・
と思った時、急に気が済んだようで
その後の行動は素早く、お風呂に入ってきたので
そのお婆さんと入れ違いに出た。

きっとその方は、その全部が一連の日課になっているようだった。
日常の中に有形文化財が入っているなんてすてきだ。